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14-9-06

街道をゆく、飛島。

港は、まだ静かだった。といっても船のでる港は、南部に位置しており、他の機能は北部にあると思われるので、そこはどうだったか、わからない。古くから最上川を利用した物流の中継点として、北陸や近畿に米などの食料品や岩石などを扱ったと土地の人から聞いた。最上川の流れを人工的に変えて、いまの景観となったのは古い話ではないそうだ。

ともかく、強い雨の中で小さな傘しかなかったために、ザックはもとより靴もひどく濡れていた。空は鼠色のまま、雲だけが形を変えて、それ以外に見出すことはできなかった。うろ覚えの地図を頼りに来たのが間違っていた。背の低いばあちゃんに、港をきいたら思っていた方向と反対側だった。飛島へ行くのだというと、よくこの雨の中と、言わずとも顔が表していた。珍しいと思う。自分でも。

飛島への船乗り場は、まだ眠っていた。おかしい。調べてきた時刻まであと一時間だ。船は見えるが、券売所は機能していない。船にも海鳥がまるで船守のように佇んでいるだけだ。
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ともかく肌寒かった。日本海3号に乗る前に食べた桂花ラーメンは、昂ぶった心と港までの徒歩ですっかり消費したようだ。券売所の建物の二階は食堂になっていた。朝の七時からやっているという。港湾関係者が仕事を終えた後に寄るのかもしれない。確かに、それらしき格好をした、若い男が多い。

そのためか、朝飯というのに豪快だ。刺身に焼き魚に筋子に小鉢、白米と汁は言うまでも無い。それで600円。客が来るわけだ。暖かいご飯と味噌汁。それだけで充分と思っていたら、いろいろなおかずが付いて寒い中を歩いてきたのでとても嬉しかった。雨は、好きだ。だけど、体力はしっかり奪っていく。

味噌汁はよくみると味噌汁だけど、味噌汁じゃない。「どんがら汁」というそうだ。魚のアラが入っていた。写真を撮るのを忘れて口を付けてしまった。あぁ、惜しいことをした。アラの見えないどんがら汁・・・。帰京してから調べたら、山形の大寒のころの郷土料理だそうだ。もちろん、大寒にはまだ時期がかなり早い。しかし、凋んだ心と縮んだ体を温めてくれたのは言うまでも無い。これは「寒鱈汁」と書くそうだ。これをどんがら汁と読むにはかなり無理があるように思われるが、それはまた今度行った時に聞いてみよう。
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朝食は俄然、人の活動を活発にする。常日頃、寝る時間に重きを置いて、しっかり食べない独身者にはその効果は絶大だ。券売所が動き出す前に、歩いた。雨が降っていたけどお構い無しに。食堂の下は小さな土産物屋券魚屋になっている、商売の相手はきっと観光客だろう。まだ開店前だったが外から見ていても面白い。でかい魚がどんどん並べられている。地方卸売市場はシャッターが下りていた。もう終わったのだろう。その前で、おっさんが二人三人タバコをのんでいる。

券売所が開いた。

唖然。今日は一航路の日だった。

ちゃんと調べてきたはずなのに。迂闊だった。二航路の日は土日だけだ。予定では五時間はゆうに居られるはずだったが、その半分以下の二時間半の滞在だ。出来れば一泊はしたかったが、ゆっくりして忙しい日程だったので、そこは諦めたのに・・・。

たしかに、やめようと思った。生殺しのような二時間半になる。しかし、約束があったこともそうだが、何よりも自分が行きたかったのだ。九時半まで待つことにした。

何が功を奏したか。北西の空が明るく済んだ空色になってきた。港を後にしたらどれだけ後悔しただろう。何かが憑いていてくれている。そう信じた。

船は島の人口を考えると、意外と大きい。夏場の観光シーズンの華やかさが覗われた。しかし、今日は九月の平日。地元の釣り人が数人と島の人、そして気まぐれなこの唯一の観光者しか見当たらない。

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船と時代が変わっても、こうやって渡る人は変わらないのだろう。

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Reacties

葉書ありがとう、嬉しかったです。
あらめの炒め煮を食べて、
すっかり元気になったし!ほんとに。
とってもおいしかったー。
大事にいただいています。

Geplaatst door: fuki | 15-9-06 om 23:46

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